【Studio Daydream】KCM-OD silver rev8.1 レビュー

ジョンメイヤーごっこをする時に必須のケンタウロス。本家は当然持っていないのでケンタウロス系ペダルとしてボード入りするペダルです。今回はKCM-ODのインプレッションをレビューしたいと思います。

最近では、THE EFFECTOR BOOKのvol.50企画「みんなで決める最強のオーヴァードライブ」でトップ10入りしましたね。すでに「隠れた」名器などという感じではなく、名器として広く認知されているようです。

Studio Daydreamさんは、個人制作でハイクオリティなこだわりのエフェクターを制作するブランドで有名ですね。

https://www.studiodaydream.net/shop/

私はメルカリの直販アカウントから入手しましたが、最近ではAmazonでも販売しているようです。

KCM-ODは何度かバージョンアップしているようです。私が所有しているのはrev8.1とのこと。

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SilverとGoldの二種類ありますが、パーツの厳選、バイパスモードなどのコントロール追加で差別化をしているようです。Goldの方が高価ですが、Silverもこだわりのつくりであることに変わりありません。私は本家klonの赤い筐体がペダルボードに馴染まなそうだったことから、ボードになじみそうなSilverの見た目で購入を決めました。

私のSilver rev8.1はケンタ同様バッファードバイパス設計ですが、トゥルーバイパスへの切替はできません。他の方のレビューで、Silverでも筐体内スイッチでバッファー・トゥルーバイパスの切替ができると紹介されることがありますが、バージョンによるようです。Goldは筐体側面にこれらスイッチがありますね。トゥルーバイパス派の方はご注意下さい。

サウンドですが、あいにく本家の音を知らないのであくまでもKCM-ODのインプレッションとして読んでいただけると幸いです。

コントロールはシンプルに左からGain・Treble・Volumeの配置。

Gainは7時で0。VolumeはGain0の時、12時で原音と同じ。かなり大きな音も出せるのでブースターとしても十分なキャパです。

Gain7時・Treble12時・Volume12時でペダルをオンすると、クリーンの原音に煌びやかな倍音がまとわりついてきます。一気にゴージャスになる感じがしますね。

私がペダルを入手すると、小学生の娘がどんな効果なのか知りたがって聴きに来るのですが、このペダルをはじめて聴いた時に「音をダブらせるんだね」と言っていて、なるほどと思いました。おそらくですが、クリーンの原音にGainを付加した音をミックスするタイプのペダルなのでしょうか。ミックスした音同士の微妙な出音のズレが極微細な揺れによるコーラス効果を生んでいるように感じられます。煌びやかに聴こえる理由の一助になっているのではないでしょうか。

このクリーンブーストの状態からGainを上げていくと、9時-12時の間くらいでは原音そのままに付加された音の方が徐々に太くなり、12時以降は付加された音の方がクランチ気味に歪みながらミックスが次第に無くなる感じがします。歪みといっても、いわゆるざらつきが出る感じではなく、太さが飽和していく方向の歪み方をします。クランチをペダル単体で作ろうとする場合は、あれ?となるかもしれません。

Gainの量が増すにつれ、アタック時のコンプ感が増すのも特徴です。

あと、ノイズが全くというほどありません。この辺りはStudio Daydreamさんの技でしょう。

サウンドやコントロールの印象からくるこのペダルのキャラクターは「太さ・倍音をコントロールするエフェクター」というイメージですね。決してオーバードライブに属するペダルではないような…。あえてオーバードライブを絡めて言うなら、「オーバードライブをリッチにさせる味付けペダル」みたいな感じです。想像ですがStudio Daydreamさんの味付けもこの辺りの性格を強調した設定に振っているのではないでしょうか?踏んだ際のゴージャス感の増し方がはっきりしているのでそう思いました。

使い方としてはアンプをクランチにして、このペダルでプッシュすることで歪みに太さ・煌びやかさを足す使い方が多いと思います。私の場合、アンプをクリーンにして歪みをペダルで作ることが多いので、クリーンの味付けとして常時かけっぱなしで使っています。

設定は先ほどのクリーンブースト状態からGainを10時まで上げて太さ・コンプを付加、その分Volumeを下げ目にして10時。弱いピッキングにも煌びやかさを増したいので、Trebleをちょっと上げて2 時。クリーンで使用する方でこのセッティングの方は多いのではないでしょうか。歪みは前段・後段いずれかにTS系を置いて、ソロ時にオンするといい感じの音作りができます。

このクリーンでのセッティングはジョンメイヤーごっこで使用するイメージで、シングルコイル前提です。ハムバッカーだと太さが飽和しがちなので、やはりGainを下げてクランチをプッシュする使い方になると思われます。

ここまでKCM-ODのレビューと私の使い方について紹介してきましたが、この個体はとにかくノイズが少なくハイファイな音がするので、今時のサウンド作りに大変活躍します。筐体にプリントされたStudio Daydreamの渋いロゴも雰囲気がよく、気に入っていますよ。

バージョン違いによる仕様の違いやGoldのサウンドも気になるところですが、機会があれば入手してレビューしてみたいと思います。